今年も「あやべなまち旅」企画の1つとして、
11月25日(土)に「お茶の手仕事 〜世界で1つの手もみ茶をつくる旅〜」を開催することが出来ました。当日は8名様にご参加いただきました。
夏〜秋に手摘みしたお茶の芽を蒸して冷凍保存していた原料を用いて、
フライパンと和紙等を使う簡易の手もみ製茶方式です。
会場の調理実習室にて、まずスライドで手もみ茶に関連するお茶の歴史・機械製茶の工程・手もみ製茶の工程・手もみ製茶のコツを説明しました。
手もみの各工程で現在何をやっているのかわかるように、スクリーンには工程の名前と説明を常時映しました。
参加者の皆様は全員で同じ工程を同時進行としました。
五感や手の感覚を重視する作業となり、素手での作業となりますので、参加者同士で他の方の茶葉と混ざらない形式をとりました。通常は同じ茶葉を全員で揉むのですが、コロナ禍以降、他の方の触った茶葉に抵抗感もあるかと思い配慮しました。
講師(私)が自身で手もみ製茶をすると全員の手元を落ち着いて見られませんので、私は茶葉に見立てた緑色のタオルを揉んで、各調理台を回り手の動きを実演しました。
参加者の皆様は上手にお茶を揉まれて(皆様の出来栄えに講師はタオルで手もみ実演に留めておいて良かったと内心ホッとしたのも事実です)、試飲会でもきれいな色のお茶が出来ていました。味についても好評でした。2時間以上かけてご自身で一生懸命揉まれたお茶はまさに世界に1つだけのお茶、格別の風味だったことと思います。
試飲会でお飲みいただき、余ったお茶は各自お持ち帰りいただきました。
共同での手作業ということで、参加者様どうしのコミュニケーションもとれて、外国からご参加の方には通訳してくださる方もおられて、皆様に終始和やかに盛り上げていただきました。
当日は寒く、午前中天候が良くなかったので当初の計画を変更し、茶園見学を後回しにして、先に手もみ製茶を行いました。手もみ茶完成後に茶園に行った際、ちょうど天気が好転しましたので助かりました。青空が眩しかったです!
今回、各参加者様の茶葉の量も多くないので、通常の手もみ製茶の半分の時間で進行しました。
いろいろ説明等も盛り込むと、それでも終始時間に追われるような展開となりましたが、あまり長時間になっても参加者の皆様も大変になりますので、時間的にはこのくらい(正味の手もみ製茶時間約2時間20分、途中30分昼食休憩あり)がちょうど良いかと私は思いました。
一番お伝えしたかったことは、手の中で刻々と変化していくお茶の葉の感触を頼りに揉むことと、手から生み出される手仕事のもつ無限の可能性です。
その手仕事を生み出したのも、その手の動きを機械の動きに翻訳して今日の機械製茶を生み出したのも先人たちの手であり、試行錯誤や創意工夫・技術の伝承であったことを考えると大変興味深く、そのあたりをもう少し丁寧にお伝え出来ればと思いました。次の機会にはぜひ、そのあたりも。
私自身も初めての企画内容でしたので、開催前は大いに悩み、不安になることも多々ありましたが、当日実際に皆様と一緒にお茶を揉みはじめると、和やかな雰囲気に助けられて楽しく過ごしているうちに、あっという間にお茶が出来ていました。
人と人とのご縁をつないでくれる、お茶の持つ力を改めて実感できて、実り多い1日を過ごすことができました。これも一期一会、感謝の一言に尽きます。
ご参加いただいた皆様をはじめ、チャレンジな企画の開催に向けてご支援いただいた皆様、ありがとうございました。
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